すごい自己紹介
サマリー&レビュー
内容
自己紹介の「内容」と「内容以外」で重要なポイントが解説されている。
- 内容
- 夢・志を、未来(聴衆のベネフィット)・過去(自分がやってきたこと)・現在(聴衆にやってほしいこと)の観点で語る
- 内容以外
- 笑顔・姿勢・動作に気を払う
対象者
- 大衆から抜きん出て「できる人」と思われたい人
- なあなあに日常を生きる人
難易度
- 前提知識等必要なく、数時間程度でスラスラと読み切れる
評価
★★★★★(5/5)
- 本書では「志を持つこと」を勧める。志を持ち、行動する人の人生は濃密なものとなる。自己紹介とは人生を語ることであり、志を持つ人の自己紹介は「すごい」ものとなる
- 自己紹介を題材とした「隠れ自己啓発本」としても機能しており、なかなか良い一冊
すごい自己紹介 - 内容編
夢・志を、未来(聴衆のベネフィット)・過去(自分がやってきたこと)・現在(聴衆にやってほしいこと)の観点で語る。自分自身が腑に落ちていない内容(満足していない、疑問を含んだ内容)を含んではいけない。そんな内容で聴衆に響くはずがない。
自己紹介のゴール
自己紹介のゴールをまず決める。大事なことは、あれもこれも伝えようとしないことである。「たった1つ、これだけ伝えることができたら悔いはない」というものを決める。
なぜ聴衆はあなたの話を聞くのか
聴衆は「自分の未来を変えてくれる人」の話を聞く。人は、自分の抱える苦痛や不満を解消するために行動を起こす。その苦痛や不満が深刻であればあるほど、聴衆はより熱心に話を聞くようになる。冒頭のひと言で興味を惹かれなかったら、18秒でも1分でも、相手は話を聞いてくれなくなる。
自己紹介の型
5秒自己紹介
自己紹介の基本パターン5つを以下に示す。未来の(現状を変える)話ほど、聴衆に聞いてもらえる。未来の提示は、「あなたが聴衆に宣言する約束」であることを意識する。
- ベネフィット型自己紹介 (名前)です。A(現状)をB(未来)にするC(職業)をしています
- ビジョン型自己紹介 (名前)です。私のビジョン(志・夢)はB(未来)を作ることです
- パフォーマンス型自己紹介 (名前)です。(実績)
- インフォーメーション型自己紹介 (名前)です。(趣味・出身地など)
- ウィークネス型自己紹介 (名前)です。(弱み)
18秒自己紹介
未来・過去・現在について語る。実績がなかったとしても無理にでっちあげる必要はない。むしろ、それを素直に告白し、教えを請う立場をアピールするほうが好感を与えられる。
- 未来: 5秒自己紹介の内容、つまり自分の提供できる未来について
- 過去: その未来を提供してきた証明、つまりこれまでの実績について
- 現在: 聞き手に「今すぐとってほしい行動」について
1分自己紹介
未来・過去・現在に加え、夢・志を盛り込み、その夢・志が実現したときのビジョン(まわりの様子)まで語る。
未来を語っても共感・応援を得られない3つの理由
- その未来が実現したら、聞き手にとってはどうなのか?(ベネフィット)がわからない
- その未来を目指すキッカケが表現されていない
キッカケの多くは、自身の失敗経験や辛い経験にある - そのために何をしているのか、何をやっているのかという手段が明確ではない
すごい自己紹介 - 内容以外編
内容以外では、笑顔・姿勢・動作が重要となる。自己紹介の瞬間に取り繕うだけではダメで、普段から良い笑顔・姿勢・動作を意識する。
コントロール不可部分
カラーバス効果(自分が見たいもの、普段から意識していること、自分ごととして捉えていることなどに自然と目がいってしまう効果)により、自分の自己紹介する前に「話を聞いてもらえるかどうか」に差が出ていることを認識しておく。
コントロール可能部分
傾聴
人は無意識に「この人は話を聞いてくれそうだな」と思う人に注目する。これは、食事や睡眠欲求並に根強く、しかも滅多に満たされることのない「自己の重要感」が満たされることに起因する。自分が傾聴すると、その人も傾聴で返してくれる。
笑顔と姿勢
聴衆は、スピーカーの見た目や雰囲気で話を聞くかどうかを決めている。見た目や雰囲気は、笑顔と姿勢でほぼ決まる。「姿勢がいい」とは、背筋がまっすぐで胸が開いている状態のことを指す。 実は、自己紹介で話す内容が、どんなに素晴らしいものであったとしても、そのほとんどは相手の頭の中には残っていない。相手の心に残るのは、自己紹介の内容以上に、自然な笑顔であったり、丁寧なお辞儀やちょっとした仕草や気配だったりする。誰も見ていないところでも、いい姿勢、いい笑顔、いい仕草ができるように日頃から心がけておく。
丁寧な礼
「礼」+「名前」+「よろしくお願いします」をできるだけで、一目置かれる人になる。首をまっすぐにし、胸を開いた状態で姿勢を作り、ゆっくりと丁寧に礼することで、あなたは別格な人になる。「よろしくお願いいします」は、締めに使う言葉ではなく、相手や自分の心を「開く」ために使う言葉である。自己紹介のルーティンとして日頃から練習し、本番でもこのルーティンからスタートすることで、余裕を持って自己紹介を行えるようになる。
すごい自己紹介 - ヒント
志を持ちつつ、まずは自分が幸せになることを目指す。志は主体性の源となり、地の才能を与える。
自己紹介がうまいことのメリット
ハロー効果(一部の目立つ特徴によって、全体的な印象が決まってしまう効果)により、自己紹介がうまいと「この人はできる人だ」と思われる。新しい環境に飛び込むタイミングでは、新しい自分に生まれ変わるチャンスとなる。
夢と志
夢は個人的なものであり、志は社会的なものである。「人が夢を持つ」と書いて、「儚」と表現する。個人的な夢は、達成しても儚いだけ。自分の志を口に出すことで、ひとりひとりが本来持っている能力が解放されている状態になる。これから出会う人や情報によって、考え方も変わってくるので、違和感を覚えはじめたらそれに合わせて志も修正していく。
幸せの順番
幸せな人しか、誰かを幸せにすることはできない。自分というコップをまず満たし、そのコップから溢れ出たものでしか、他人を満たすことはできない。
パフォーマンスの発揮
目の前のことに主体的で前向きに取り組むのと、いやいや受動的に取り組むのとでは、パフォーマンス(成果)は大きく異る。
地の才能と天の才能
- 才能には2種類ある。
- 地の才能
- 寝食を忘れるほど楽しかったこと、好きでたまらない、楽しくて仕方がなかったことを積極的に追い求めている状態にあったこと
- 天の才能
- 過去の辛い経験から学んだこと